瀬戸の名工 三代 加藤善治 染付立鼓型花瓶 瀬戸焼

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三代加藤善治の稀少な立鼓型染付花瓶を出品致します。 加藤善治家は、江戸後期の文政年間創業の窯。初代は弘法像二千体を製作して寺院に納めました。二代は陶器に代わる磁器の製作に乗り出しました。善次郎は、三代加藤善治を襲名し、磁器製の薄板作りでは右に出る者なしと謳われた名工です。 明治13年に宮内省から瀬戸の名工、加藤勘四郎に磁器製暖炉が注文されました。その為には長さ165cm、厚さ8cmの磁器製板を歪みなく製作することが必要でしたが、勘四郎は歪みのない大板を製作できませんでした。次に川本桝吉のもとへ命が降りました。しかし、瀬戸の名工中の名工、川本桝吉の技術をもってしてもやはり作成することができませんでした。その後、三代加藤善治がこれを請け負い、歪みのない大板の製作に遂に成功。磁器製暖炉を宮内省に納入しました。 さて、出展の作品は、緻密な染付を磁体全面にびっしりと施し、上部・中央部・下部の三つの部分に分けて作成された立鼓型の花瓶です。型物で作成していないために若干の傾きがありますが、当時、型を使わずにこれほどの複雑な形状の磁体を作り上げた技量は驚異的です。 寸法は、高さが21cm、幅12.5cmです。 ワレやカケなどの瑕疵はなく、綺麗な状態です。口縁の端に見える茶色っぽい部分は、釉薬が途切れた部分、いわゆる釉切れです。傷ではありません。 加藤善治の此のような優品が市場に出ることは先ずありません。

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